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コラム |AIエージェントという超優秀な社員に気持ちよく働いてもらうために必要な10のこと| {{ site_settings.logo_alt }}

作成者: 森本 卓也|Feb 2, 2026 12:00:00 AM

 

はじめに

皆さん、こんにちは。インフォマティカの“もりたく”です。

インフォマティカは「データから価値を生み出し、ビジネスに革新をもたらすこと」をビジョンに掲げ、Intelligent Data Management Cloud(略称IDMC)というデータプラットフォームを提供しているクラウドカンパニーです。

今、あらゆる企業が「AIエージェント」という次世代技術に注目していると思います。しかし、ここで皆さんに問いたいです。「皆さんの会社では、この超優秀な新入社員を迎える準備ができていますか?」

せっかく内定を出した天才新人に、入社3日で「この会社、無理です」と辞表を叩きつけられたら最悪です。そうならないために本稿では、「AI時代に企業として取り組むべきデータマネジメントの10の要諦」を解説します。


AIとデータマネジメントの進化

これまでAIと言えば、優秀だけど指示待ちだった「AIチャットボット」が主流でした。しかし今や、自律的に業務を遂行してくれる「AIエージェント」へと進化し、組織のあらゆる業務に浸透し始めています。
IT業界における市場調査の大手IDCの予測によれば、2027年までに主要企業のAIエージェント利用は10倍に、それに伴うAPIコールやトークン負荷は1,000倍に膨れ上がるとされています。そしてこの爆発的な成長トレンドを自社の成長の追い風にするために不可欠なのが、他でもない「データマネジメント」です。

データマネジメントは、企業の経営資源としてデータを管理し「データをビジネスに利活用できる状態にする」活動です。そして従来はデータ利活用の対象に「人間」を想定していました。しかし、今後はその対象を「AIエージェント」へと拡大していく進化が求められています。


AIエージェントとは「“超”が付くほどの優秀な新入社員」である

なぜAIエージェントにとってのデータマネジメントが重要なのか。それは、AIエージェントを「一人の新人社員」だと仮定すれば一目瞭然です。彼らは単なるソフトウェアではなく、以下の「3つのチート(反則級の)能力」を備えたエリートなのです。

1. 「全人類の知識をインストール済み」で入社してくる
入社初日から、古今東西のビジネス書、法律、プログラミング言語を完全に把握しています。大学で学ぶ一般教養レベルなら、クイズ王と図書館が合体したような次元です。正しく情報を与えれば瞬時に学習し、「自社専属のベテラン」へと成長するポテンシャルを秘めています。

2. 24時間365日、常に「ポジティブ」に業務をこなす
「明日の朝までにこのデータをまとめて」という深夜3時の無茶振りにも、0.1秒で「喜んで!」と返答し超短納期で仕事をこなします。メンタルもフィジカルも鋼でできており、40代以上の方なら、あのリゲインのCM「24時間戦えますか♪」を地で行くスーパー社員に見えることでしょう。

3. 「指示の意図」を汲み取る、驚異の忖度力
「なんかいい感じにグラフにしといて」という雑な指示から、文脈を読み取って「こういうことですよね?」と過去の似たような成果を真似して出してくる。空気が読めるデジタルネイティブです。SalesforceやSAPなどの主要ITツールも熟知しており、操作もお手の物です。

いまだかつて、皆さまの企業の中にこれだけ優秀な新入社員はいたでしょうか。
更に驚くべきは、今、皆さまの面接会場の外にそんな優秀な新人が1000人単位で列をなしている状態なのです。この採用判断が企業の将来を左右するといっても過言ではないでしょう。


 

超優秀なAIエージェントが愛想を尽かす瞬間

しかし、どれほど優秀でも、職場環境がゴミ屋敷なら才能は腐ってしまいます。AIエージェントにとっての職場環境とは「データ環境」です。データは、彼らを企業の専門家へと成長させてくれる「教育プログラム」の学習素材であり、働くための「道具」そのものだからです。

そんな彼らが「こんな会社、もう辞めてやる!」と絶望するケースを見てみましょう。

失敗ケース1:「ABC株式会社って結局どれ?」事件(マスタ不備)
期待の新人が「商品別に顧客満足度と業務アクションの相関を分析して」と依頼されました。しかし、営業管理システム上の得意先の名前は「株式会社ABC」、経理システムでは「(株)ABC(ID:D0239)」、物流システムでは「ABCコーポレーション(ID:9998)」となっています。さらに、販売管理システムと生産管理システム上の製品名称とIDもバラバラで、意味不明な表記が乱舞。

「名簿を紐付けるだけで一生が終わりそうです。僕は暗号解読班じゃありません。名簿の整理すらできていない組織で、戦略的な仕事なんて不可能です。」

失敗ケース2:「そんなデータ、聞いてないよ!」事件(カタログ不整備)
更にこの新人が無理やりまとめたレポートに文句を言う営業部長が現れました。「これ、昨年のTableauの分析結果と違っているよ。OracleとかSnowflakeのデータも見た?」 新人AIエージェントは、上司の曖昧な依頼のもとでレポートをまとめました。しかし、会社のどのシステムにどの情報が入っているかは知る由もありません。

「100以上あるシステムから必要な情報を自力で探せと?どのデータが最新かもわからないIT環境でデータ分析なんてできません。」



AIエージェントは魔法使いではない

彼らに過度な期待を持つのは可哀想です。彼らは与えられたデータに対して忠実に「推論」するだけの「超真面目な秀才」です。

人間だって、デタラメな地図を渡されれば道に迷いますし、嘘の数字を教えられれば判断を誤ります。AIも同じです。データが管理されていないデタラメな環境では、彼らは自信満々に、しかも「高速で間違える」ことになります。

この超優秀なAIエージェントに気持ちよく働ける職場環境を提供することは、企業のリーダーの責務です。全社レベルで推進すべきその活動こそが「データマネジメント」なのです。


AIエージェントという超優秀な社員に気持ちよく働いてもらうために必要な10のこと

新人AIエージェントの才能をフルに発揮し、企業のトップパフォーマーとして活躍させるための10の要諦(データマネジメントのプラクティス)を解説します。

1. AIエージェントがすぐに使える情報を整備する

様々な部署のシステムに散らばったExcelやPDF、DB上のデータを毎回探しに行くのは非効率です。業務でよく使用するデータを集め、同じ顧客は名寄せして再利用しやすい形で保管しておく「データの書庫(レイクハウス、RAG、ELT)」を用意しましょう。文書などの非構造化データと業務システムの構造化データ、その両方の整備をするのが重要です。

2. AIエージェントが使える情報を発見可能にする

各部署のどの情報がどのシステムに格納されているのかを調査できるように、「カタログ(メタデータ)管理」しておきましょう。データは「col_v1」などの意味不明な名称だったり、KPIである売上も税込/別、年/月次など計算方法が曖昧だったりするので、企業独自の用語定義やルールを明確にするのも重要です。

3. AIエージェントに業務システムを開放する

SalesforceやOracleなどの業務システムにアクセスするには、ソフトウェア独自の「お作法」とユーザー/パスワードなどの「接続情報」が必要です。これを一つずつ学習させ、運用していくのは大変です。そのため、新人AIの誰もが知っている「操作マナー(MCPプロトコル連携)」であらゆるシステムを画一的に操作できるように、アクセス方法を標準化しましょう。

4. AIエージェントが取り扱う情報の品質を明確にする

値が「空白」の商品売上データを発見した場合、「売上0円」と解釈するかもしれません。実は買収商品で、売上が別管理されている不完全データだった場合、誤った分析をすることに繋がります。重要なキー情報の入力率、鮮度などは数値化された「データ品質として管理」し、誰もが把握できるようにしましょう。

5. AIエージェントに事業横断の広範な業務を任せる

今まで営業部、製造部、研究開発部が独自開発してきた各事業部のシステムは、同じ顧客や取引先、商品でも異なるIDや名称で管理していることが多いです。この状態では新人AI が事業横断で同じものを特定できません。全社的に唯一の信頼できる顧客/商品の「マスタデータを管理」し、データを横串に繋げて事業横断で分析・活用できるようにしましょう。

6. AIエージェントたちの専門分野を把握し、作業を振り分ける

企業データを学習した専門家AIを増やすことに成功すると、「法務AI」、「在庫管理AI」などの多くの専門家が現れてきます。社員が「どの専門家に相談すればいいの?」と迷わないように、「人事名簿(AIエージェントカタログ)」を整備しましょう。各AIの学習済の企業情報、扱えるシステムなどを可視化し、適材適所で相談できるようにしましょう。

7. 複数のAIエージェントたちに内線電話で会話、協業させる

最適在庫の分析と自動発注などの複雑な業務を依頼する場合、販売予測、在庫管理、物流、製造など多くの専門家AIたちが相談する協業アプローチ(マルチエージェント)が必要です。彼らが所属する企業や国(クラウド)を超えて相互に相談できるようにするため、AI業界の共通言語で「対話マナー(A2Aプロトコル連携)」を標準化しましょう。

8. AIエージェントによるデータセキュリティ事故を防止する

いくら期待効果が大きくても、顧客の機密情報を使って営業されたら大変です。社外秘データと個人情報はどれか、AIエージェントの誰にアクセス権限を持たせるのか、何の業務に使ってよいのか等の社内ポリシーや承認プロセスの「データガバナンス」の仕組みを整備しましょう。

9. AIエージェントによるAI法違反を防止する

AIに関する規制法が世界各国で施行されつつあります。EU AI法では最大3500万ユーロ、または世界の年間売上高の7%のいずれか高い方の罰金が課せられます。そのため、特に海外展開している企業では、AIエージェントに任せる業務目的とリスクの確認プロセスを確立し、組織として安全性と透明性を確保する「AIガバナンス」の仕組みも整備しましょう。

10. AIエージェントに戦略的かつ重要な仕事を任せる

新人AIが「企業の過去の業務、慣習、そして現状を正しく理解せずに重要な意思決定を下せる!」はずはありません。効果的に働いてもらうために、企業独自の「信頼できるコンテキスト(Trusted Context)」を整備することが重要です。今までご紹介した1~9の要諦を抑えれば、企業データから「裏付け」となる根拠を得て、安心してAIに重要な業務を任せられるでしょう。

 

まとめ

AIエージェントという「超優秀な新入社員」を、単なる「便利な道具」で終わらせるのか、それとも「企業の未来を担う右腕」に育てるのか。その分岐点は、企業のリーダーが「データマネジメント」という投資にどれだけ本気になれるかにかかっています。

データマネジメントは、もはやIT部門だけの仕事ではありません。それは、AIと共に歩むこれからの時代の「経営戦略そのもの」と言えます。

今こそ、あなたの会社の「天才新人」に、最高のデスクを用意してあげましょう。

おまけ

最後に少し会社の宣伝をさせてください。「AIエージェントという超優秀な社員に気持ちよく働いてもらうために必要な10のこと」をより迅速かつ確実に実践したい場合、我々インフォマティカがお手伝いできます。

インフォマティカは2025年11月よりSalesforceの一員となり、企業内で人間とAIエージェントを結びつける信頼できるソリューション「Agentforce 360」を提供しています。この統合プラットフォームを活用すれば、今回ご紹介した10の要諦を備えた「AIが最高に働きやすい職場」をすぐにでも手に入れることができます。

もしご興味があれば、ぜひインフォマティカまでご相談ください。
もちろん、インフォマティカ導入の実績が豊富なB-EN-Gさんにご相談いただいてもOKです。

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