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コラム

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AI時代の運用基盤としてのSAP Cloud ALM

AI時代の運用基盤としてのSAP Cloud ALM

 

SAPシステムの運用において、人材不足や業務の属人化、そして2027年末に控えるSAP Solution Managerのサポート終了は多くの企業にとって急務の課題です。本コラムでは、これらを解決し「人に依存した運用」から「インテリジェントな自動化運用」への転換を実現する「SAP Cloud ALM」の概要や主要機能、導入メリットについて分かりやすく解説します。

 

1.なぜ今、運用の自動化が必要なのか?

「SAPシステムの運用人材が足りない」「特定の担当者に業務が偏っている」—そんな課題を抱えるSAPユーザー企業のIT部門管理者や運用担当の方も多いのではないでしょうか。

システムのデジタル化が進む一方で、クラウド、オンプレミス、ハイブリッドが混在するランドスケープを安定的に運用するためには、高度な専門知識と継続的な監視体制が不可欠です。
しかし現実には、多くのIT部門で以下のような課題が深刻化しています。

  • 熟練したSAP運用担当者の確保が年々困難になっている
  • 既存メンバーへの業務集中により、障害対応や予防保守が後手に回りやすい
  • AIや自動化ツールの急速な進化に、現場のスキルアップが追いつかない

こうした状況において、「人に依存した運用」から「インテリジェントな自動化運用」への転換が急務となっています。
その中核を担うソリューションとして注目されているのが、SAP Cloud ALMです。

 

2. SAP Cloud ALMとは?
  ーハイブリッド環境を一元監視するクラウド運用の新標準

これまでSAPシステムの運用管理・保守を担ってきたオンプレミス前提のSAP Solution Managerは、2027年末にメインストリームサポートの終了を控えています。こうした時代の変化とシステムのクラウド移行に伴い、新たな標準として登場したのが、クラウドネイティブな運用管理プラットフォーム「SAP Cloud ALM」です。

SAP BTP上で稼働し、SAPおよび非SAPシステムを含むハイブリッドランドスケープ全体を一元的に監視・運用・管理する中心的プラットフォームとして機能します。

なお、対象のSAPクラウド製品のサブスクリプションやサポート契約をお持ちのお客様であれば利用可能です。

実績で見るSAP Cloud ALM

6,800社+

アクティブカスタマー

87億件/日

IDoc監視件数

※出典:SAP社公表データ(2026年時点)

SAP Cloud ALMの領域

  • Implementation(導入支援): 導入プロジェクトの計画・実行・テスト管理
  • Operations(運用保守): 本番環境の監視・自動化・運用効率化
  • Service(サービスデリバリー): SAPサービスデリバリーの透明化・効率化

本コラムでは特に運用保守の効率化に直結する「Operations」(以下、SAP Cloud ALM for Operations)に焦点を当てます。

 

3.運用のありかたを変える「7つの主要監視機能」

「SAP Cloud ALM for Operations」の主な監視機能は以下の通りです。これらを活用する事でリアルタイムでシステムを監視し、問題検知から解決までを自動化します。

1ビジネスプロセス監視

業務プロセスのKPIをリアルタイムで追跡し、異常を早期検知

2インテグレーション&例外監視

クラウド・オンプレ間のデータ連携を可視化し、エラーを即時把握

3リアルユーザー監視

エンドユーザー視点でのシステムパフォーマンスを継続的に計測

4合成ユーザー監視

スクリプトによる自動シナリオ実行で、ユーザーへの影響が出る前に問題を検知

5ジョブ&自動化監視

バックグラウンドジョブの実行状況を監視し、遅延・失敗を早期に把握

6ヘルスモニタリング

システム・サービスの技術的な健全性を一元管理

7設定&セキュリティ分析

構成変更を継続的に検出し、コンプライアンス状況を自動検証

 

4.AI時代における5つの具体的メリット

「SAP Cloud ALM for Operations」が提供する価値は、単なる「監視ツール」にとどまりません。検知から解決までのループを自動化することで、人手に依存した運用の限界を突破します。
少ない人員でも高品質な運用を維持するためには、システムが自ら考え、動き、修復する仕組みが必要です。単なる監視・自動化だけでなく、将来的な自律型AI(Agentic AI)連携や生成AIを活用したスクリプト自動生成の基盤として、運用基盤を今から整えることが重要です。

  • 自動アラートと問題の自動ルーティング:収集されたイベントを一元的に処理・相関分析し、適切な担当者やシステムへ自動的に通知(通知先ルーティング) します。
  • 自動修復アクション:検知されたイベントに対して自動的な是正アクションをトリガーすることが可能です。定型的なエラー処理を自動化し、運用担当者の手作業を大幅に削減できます。
  • AIOps(AIを活用したIT運用)による異常予測:収集されたデータをもとに、機械学習を活用した異常予測(AIOps)を実現します。ビジネスプロセスやアプリケーションにおける問題を、深刻化する前に予測・防止できます。
  • ビジネスサービス管理(BSM)とSLA(Service Level Agreement)可視化:ITの技術指標をビジネス目標と紐づけ、サービス可用性・ダウンタイム・SLA達成状況をリアルタイムで可視化します。経営層からIT担当者まで、共通の視点で運用状況を把握できます。
  • 外部ツールとのシームレスな連携:様々な外部ツールとAPI連携が可能で、SAP Cloud ALMのアラートやイベントを外部ツールにリアルタイムに通知します。また、運用データをもとにカスタムダッシュボードやレポートカスタムレポートを作成し、高度な分析に活用できます。

 

5.まとめ:B-EN-Gが提供するSAP Cloud ALMの設計・導入・保守の一気通貫支援

「SAP Cloud ALM for Operations」は、労働力不足・スキルギャップという現代企業の課題に対して、以下の価値を提供します。

  • 運用コストの削減: 自動化による定型作業の排除、障害対応時間の短縮
  • ビジネス継続性の確保: 24時間365日の自動監視とプロアクティブな異常検知
  • スキルギャップの補完: AIと自動化が人手不足を補い、少人数でも高品質な運用を実現

SAP Cloud ALMは標準機能が充実している一方、自社の業務プロセスに合わせた初期設定や、外部ツール連携、自動化シナリオの構築には専門的なノウハウが求められます。

B-EN-Gでは、運用(Operations)領域にとどまらず、導入(Implementation)から構築、保守にいたるプロジェクトの全ライフサイクルでSAP Cloud ALMをフル活用し、お客様の業務効率化と手作業の削減を図ることを目指し取り組んでいます。

これまでに培った豊富なシステム構築ノウハウとともに、最新の技術進化にも迅速に対応し、最適な活用ノウハウをご提供いたします。

SAP Solution Managerのサポート終了対応(2027年問題)や、SAP Cloud ALMの最適な設計・運用方法でお悩みのITリーダーの方は、ぜひB-EN-Gへお気軽にご相談ください。

 

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1991年に日本初のSAPパートナーとなり、1993年に国内第一号SAPユーザーへの導入を実現して以来、ERP導入支援を中心にSAP関連事業を推進し、多くのお客様からの信頼を得ています。
SAP S/4HANAなど基幹システムだけでなく、ビジネスネットワーク SAP Ariba、サプライチェーン計画ソリューションであるSAP IBP等の多彩なラインナップを取り扱い、お客様のビジネスの変革をシステム面からご支援しています。

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荒川 真里奈
荒川 真里奈
大学卒業後、SAPベーシスコンサルタントを経て2022年にビジネスエンジニアリングへ入社。 SAP S/4HANAの導入・保守・アップグレード案件を担当する傍ら、SAP Cloud ALMの機能調査およびプロジェクトへの適用方針の検討に従事。