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今注目の「WalkMe」とは

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近年、あらゆる企業がDXを推進しており、DXの成功は企業を成長させる重要なカギとなっています。一方で、デジタル技術の導入と人間の活用スピードにはギャップがあり、操作ミスや問い合わせ増加といった課題が生じています。この課題を解決する手段の一つがDAP(Digital Adoption Platform)のパイオニアであるWalkMeです。

WalkMeは、SAPのBTMBusiness Transformation Management)に位置付けられます。
具体的には、ユーザーがソフトウェアを効果的に活用できるよう、ガイド、エンゲージメント、分析、自動化などの機能をノーコードで提供し、ユーザーの生産性向上や操作教育・問い合わせコスト削減に貢献します。

本年5月に米国で開催されたSAP Sapphire Orlando 2025において多数のセッションが組まれていたり、SAP Innovation Day for Finance and Spend Management(2025年5月27日 東京開催)では、弊社B-EN-Gセッションやブースにて話題となったりするなど、WalkMeへ向けられた関心の広がり具合が国内外問わずうかがえます。
本稿では、DX × AI時代におけるWalkMeの効果や、DAPについて紹介します。  

 

DX推進で導入したツールを活用しきれない

そもそもDXとは、優位性や競争力の向上を目的とし、企業がデジタル技術を活用して業務プロセスや事業内容を改革することを意味します。業界を問わずDXを推進する取り組みは、今や企業にとって必要不可欠の時代となりました。DXの一環として、新しく、強力なデジタルツールやプラットフォームを導入された方も多くいらっしゃることと思います。

しかし、技術と人間の成長スピードは大きく異なります。いかに強力なデジタルツールを導入しても、人々がその機能・技術を活用しきれていないというのが現状です。実際に、ユーザー操作ミスや問い合わせ対応などに工数がかかるといった課題はよく耳にします。

WorkMe1

 

多くの企業で採用されている「WalkMe」とは?

それでは、ここからは上記の課題解決に役立つWalkMeについて説明しましょう。

会社としてのWalkMeは、2011年にイスラエルのテルアビブで創業され「デジタルアダプションプラットフォーム(DAP)」という言葉を生み出したパイオニア企業です。現在はSAPのグループカンパニーとなり、SAPパートナーも、2024年4月22日からSAP契約を通じて販売可能になりました。

 

 

システムを使い倒すための「デジタルアダプションプラットフォーム(DAP)」

「デジタルアダプション」とは、従業員や顧客が機能や技術を理解し、効果的に活用できるようにするプロセスです。

その基盤であるDAPは、ソフトウェア内のガイドや分析機能を提供することで、あらゆる人々をソフトウェアを最大限に活用できる状態に導いてくれます。その結果、ソフトウェアの導入効果が発揮でき、DXのより良い推進が企業全体にもたらされます。実際に、WalkMeは多くの企業で利用されDX促進に貢献しています。

次からは、WalkMeがいかにDXと人々との間のギャップを埋め、人々にストレスを与えることなく技術を活用させてくれるのか、具体的な機能をご紹介します。 

 

WalkMeの主な機能

WalkMeの機能が、ほとんどノーコードで簡単に実装できるのは、まるで魔法です。

以下に4つの主な機能を紹介します。

  • Guidance
    ユーザーがシステム操作を迷わず完了できるよう、ステップバイステップで操作を案内します。
  • Engagement
    誤操作や入力ミスを防止するための入力チェック機能があります。特定のフィールドへの自動入力や、自由記入フィールドへのテンプレート挿入なども可能です。
  • Analytics
    ソフトウェアの使用状況をリアルタイムで分析し、ユーザーのつまづくポイントや、ユーザーの目的を測定・可視化します。WalkMeコンテンツの使用状況に応じてコンテンツ内容をアップデートするなど、インタラクティブな支援が可能です。
  • Automation
    ステップバイステップの操作を自動実行する機能です。RPAとは異なり、プロセスの一部を自動化しユーザーの生産性向上を支援します。

B-EN-Gが携わった例では、請求書の提出時にステップバイステップのガイドを加えたり、ユーザーが誤選択しやすい選択肢やユーザーに変更してほしくない項目を非表示にしたりしました。実装はノーコードでSAPのディベロッパー拡張などよりも簡単ですが、ユーザーの視点などシステム開発における重要なポイントも多々あり、開発者(Builder)としてWalkMeで学べることは多いと感じています。

WorkMe2

WalkMeを使った場合、ユーザーには提出ガイドボタンが表示され操作情報が得られる。この場合、請求書番号と取引先を入力すればよいことが分かる


 

WalkMeを活用するメリット

WalkMeの導入効果は、ソフトウェア操作の支援のみならず、導入や研修の効率化、誤入力削減など多岐にわたります。実際に使用するユーザーと、情報システム部など導入を推進する部署の両方にメリットがあります。

  • ユーザー
    生産性やデータ品質の向上、抵抗感やストレスの削減
  • 導入推進部署
    問い合わせやドキュメントのやり取り工数、トレーニングコストやマニュアル整備コストの削減

導入時期はいつ?

WalkMeは対象となるシステムの導入前の開発フェーズから導入後の運用フェーズまで、いつでも導入可能です。

弊社の事例では、SAP Ariba支援プロジェクトの導入の途中からWalkMeを導入していますが、最近はWalkMe機能ありきでERPを導入し、カスタマイズ工数を削減するなど、ERPとWalkMeの相乗効果を見越した同時導入も増加しています。

 

WalkMeの今後

現在、WalkMeは、SAPのBTM領域に位置づけられるDAPとして注目の的です。SAP製品と親和性が高く、SignavioやLeanIXと連携し、SAP AribaやSuccessFactors などへの組み込み提供(エンベデッド)も開始されました。
SAP S/4HANA等についても順次提供予定とされています。
弊社ではSAP Ariba導入プロジェクトにおいて適用が始まっていますが、今後、ユーザーは他のSAP製品でもWalkMeの効果を実感できると想像しています。

WalkMeは、SaaSの痒い所に手が届きます。弊社のAribaチームでは、今後もWalkMeのさらなる広がりに注目しています。

 

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ビジネスエンジニアリングのSAP事業
1991年に日本初のSAPパートナーとなり、1993年に国内第一号SAPユーザーへの導入を実現して以来、ERP導入支援を中心にSAP関連事業を推進し、多くのお客様からの信頼を得ています。
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B-EN-G Aribaチーム
B-EN-G Aribaチーム
20年近く調達・購買システムに従事し、SAP Aribaの国内トップシェア。 Fit to Standardのコンセプトに基づき、標準機能と知恵を駆使し、シンプルなプロセスとお客様の想いを込めたシステムを構築。