本コラムでは、三菱重工業株式会社(以下、三菱重工)のデジタルイノベーション本部(以下、DI本部)の取り組みと、それをご支援するB-EN-Gの役割についてご紹介します。
三菱重工は、成⻑のポテンシャルを解き放ち、新たな価値を創造することで「⾼利益体質と成⻑投資の好循環」を実現することを経営⽬標として掲げています。この経営目標を実現するため、Innovative Total Optimization(以下、ITO)という新たな考え方を構想するとともに、ITOに基づいた「全体最適」と「領域拡⼤」に取り組み、両者のシナジー効果創出を図っています。
ITOの考え⽅のうち、「全体最適」は組織の連携を強化し、⽣産性の向上と収益⼒の強化を図る取り組みのことです。事業内のバリューチェーンの最適化や事業間の横通しを進める必要があり、そのためには、現場の「モノづくり」を支えるIT基盤の刷新が不可欠です。
世界各地に点在する製造拠点の生産システム(SAP S/4HANAやMESなど)をいかに効率的に標準化・最適化し、リアルタイムなデータに基づいた意思決定を可能にするか。このグローバルな事業基盤の確立こそが、DI本部が主導するDX(デジタルトランスフォーメーション)の核心であり、同社の持続的成長を左右する鍵となっています。
この壮大な挑戦を支えるパートナーが、B-EN-Gのソリューション事業本部です。両者の歩みは、2002年に火力発電事業における生産管理業務のSAP ERP適用プロジェクトから始まります。その後、個別受注生産品からエンジン/ターボチャージャー製造など見込み生産による様々な生産方式を採用している三菱重工の各事業にSAP生産領域の導入範囲を拡大しました。
2015年からはSAPだけでなくMES領域のシステム導入も開始し、ガスタービン事業や防衛事業などに導入範囲を拡大しています。
これらのプロジェクトにおける、B-EN-Gのコンサルティングメンバーが三菱重工のメンバーとともに作り上げてきた知財と課題解決力、およびソリューション事業本部の組織としての継続的なプロジェクト推進体制がDI本部に高く評価されています。
今後は、事業変革をさらに加速させていくために、SAP生産領域及びMESの標準モデル構築を推進するとともに、SAP生産管理機能やMESが未導入の拠点にその標準モデルの導入を並行して進めています。
さらに三菱重工は、旺盛な需要に対応するため圧倒的な業務効率改善を進めています。その対応の一つとして先進IT技術を積極的に取り入れています。当社もその活動に寄り添うともに業務効率改善を実現するためにITの新機能の調査にも着手しています。両者は、この長期にわたる連携を基盤に、多岐にわたる事業領域における三菱重工のデジタルイノベーションを今後も多角的に支援していく計画です。
三菱重工という日本最大級の総合技術開発メーカーにおける、この大規模かつ多様な製造業態でのグローバルDXの知見は、単に一企業の成功に留まるものではありません。B-EN-Gはこの協業から得られる先進的なノウハウを、製造業全体の「ベストプラクティス」として昇華させ、広く業界へ還元していくことを目指しています。
20年にわたる絆を原動力に、三菱重工とB-EN-Gは日本の基幹産業を支える次世代のモノづくりのあり方を、これからも共に描き続けていきます。
BE:YOND 2025 セッションレポート「デジタルソリューション基盤整備と“非競争領域の標準化”により推進する三菱重工のDX」
三菱重工業株式会社は、"DXでデジタル技術とものづくりを「かしこく・つなぐ」"をコンセプトとしてグループを挙げてDXに取り組み、2024年5月には経済産業省が選定する「DXグランプリ2024」を受賞した。多岐にわたる事業を展開し、長い歴史を持つ巨大組織がどのようにDXを推進してきたのか? 2025年3月6日にB-EN-G主催の年次イベント「BE:YOND 2025」で語られた基調講演(KEYNOTE2)の内容から、製造業DXの現状と未来に迫る