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コラム | ERPとMES連携の基本|製造現場の「情報の空白地帯」を解消するメリットと障壁{{ site_settings.logo_alt }}

作成者: 平野 文也|Jun 5, 2026 2:03:55 AM

 

製造業のDXや業務効率化において、ERP(計画層)とMES(実行層)の連携は避けて通れないテーマです。しかし、これら2つのシステムは担っている役割や管理するデータの粒度が根本的に異なります。ERPは全社的なリソース管理やマクロな生産計画を得意としますが、現場のリアルタイムな製造実績やラインの状態を細かく把握するには、MESとのシームレスな連携が不可欠です。双方を正しく連携させて初めて、企業全体の「情報の全体最適化」が実現します。
今回は、入荷から製造実績にいたる具体的なデータ連携のイメージと、システム構築の現場で実際に突き当たる「連携の障壁」について解説します。

 

ERP連携・MES導入のメリット

具体的にERPはMRPなどに代表されるように、1日・1ヶ月・1年といった大きな粒度での生産管理が得意な一方、プロセスや製造ラインの状態についてリアルタイムの情報を管理するのは不得意です。
MESのような実行層のシステムがない場合、ERP(計画層)と生産設備(制御層)の間には情報の空白地帯が発生します。具体的には「マニュアルでのERPへの情報入力によるデータ遅延」や「紙での記録によるヒューマンエラー」などが発生します。これらを解消するのがMES(実行層)であり、さらにそれとERPを連携することで、情報の全体最適化を進めることが可能になります。両システムを連携させることで、リアルタイムに現場の状況を把握することが容易になります。また、業界によっては厳格な製造の記録が求められることもあり、製造記録が電子化されることによってこれらに対応することが容易になるメリットもあります。

 

ERP-MES連携のイメージ

MES-ERP連携での具体的なデータの流れを示します。
今回は入荷~製造実績までの主なデータ連携をご紹介します。今回ご紹介するケースでは「SAPでの指示をMESに連携し、その指示に対してMESからの実績をSAPに反映する」という考え方がベースとなります。(製薬業など業種によっては承認が必要な場合があります。)

①入荷予定の連携(ERP→MES)
ERPの購買発注情報をもとに入荷予定データをMESに連携します。
ERP側で変更が発生した場合は、変更データが再連携されます。

②入荷実績の連携(MES→ERP)
①で受け取ったデータをもとに、実際に入荷作業を行います。作業後、入荷実績をMESに入力するとそのデータがERPへ実績として自動連携されます。

③製造予定の連携(ERP→MES)
入荷予定と同様の流れで、製造品の予定データをMESに連携します。ERPで管理される生産予定(日程計画)データや、発行された「製造指図情報」をMESに連携し、後のプロセスで実績データと紐づけられるようにします。

④製造指図の実績の連携(MES→ERP)
③の製造指図をMESで完了させた後、製造実績がERPへと連携されます。

⑤製造実績の連携(MES→ERP)
製造が終わったタイミング(製造記録)でMESからERPに製造実績データを連携します。

※製薬業様の例

簡単にERP-MES連携のイメージをご紹介しました。
このようにMESとERPはそれぞれデータのやり取りをしながら、お互いのデータの整合性を保っていきます。もちろんデータの連携だけでなく、それに伴う在庫情報やロットが保持する情報への反映なども連携の後続処理として自動で行なわれていきます。

 

ERP-MES連携の障壁

もちろん、MESとERPが別々のパッケージの場合、一朝一夕で連携できるようになるわけではありません。特にそれぞれのシステムを管理するベンダーが異なる場合、サーバーなどの問題によっては互換性がなく、情報共有をスムーズに行えない場合もあります。連携する際に特に障壁となる点をご紹介します。

マスタ

両システムにはそれぞれのマスタが存在します。製造という共通目的がある以上、もちろん同じような項目は存在しますが、全く同じ定義の項目はほとんど存在しません。たとえ項目の名前が同じだとしても、両システムの仕様を理解したうえで読み替えなどの対応が必要となります。

役割の分担

生産計画~製造~出荷といった一連のプロセスの中で、特定の業務を両システムのどちらが担うかを決定する必要もあります。 ERPで行う場合とMESで行う場合、どちらが最適かを判断し、どのように実現するかを検討する必要があります。そのために導入コンサルタントは製造業務とシステム、両方の専門知識を有する必要があります。

連携内容やタイミングの考慮

先述の連携イメージで示したように、MESへ連携した情報に変更があった場合には変更情報として連携するケースがあります。しかし、すべてのデータを対象として連携するわけではなく、必要な情報のみデータ連携が必要になります。
※入荷予定データの連携対象例
新規入荷予定データ:購買発注がすべての承認フローを通ったタイミングで入荷予定データとして連携する
入荷予定データの変更:納入完了したデータは送信対象として扱わないなど

このようなデータ連携の決め事は、顧客特有の運用に沿って検討する必要があり、その要件の背景や目的など様々な観点から最適な方法を提案する必要があります。そのためERP-MES連携の導入コンサルタントは業務知識が必要となるのです。

 

まとめ

今回はERP-MES連携についてのイメージおよび、連携時の障壁についてご紹介しました。B-EN-Gには製造業の業務に造詣が深くそれを支えるシステムに関する専門知識を持つコンサルタントが多数在籍しています。ぜひご相談ください。

 

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